2024.03.25

保険業界での経験を武器に「保険×IT」で社会のインフラをつくる

profile

栗原 佑輔

第三金融事業本部 G&S統括部 保険ITサービス事業部

保険ネット担当

新卒で生命保険会社へ入社し、保険代理店への営業推進・サポート・管理などの業務に従事。2022年4月に経験者採用でNTTデータに入社。保険代理店向けWebアプリケーション開発の案件へ参画し、企業系代理店向けのアプリケーションパッケージ「BizWise」をもとに、既存機能のカスタマイズ・追加機能のアドオン開発などを手がける。要件定義、外部設計、内部設計、開発、各種試験工程のフェーズを一気通貫して経験し、BIツール(※1)チームではリーダーを務めている。

保険にはITの力が欠かせない。自ら保険業界を変えるための転職

「保険を通じて、生活者の安心・安全に貢献したい」。それが新卒で前職の生命保険会社に入社した理由です。前職ではITに関する職種ではなく、保険代理店に向けた営業推進やサポート、管理などを担っていました。各代理店に合わせてあるべき姿を踏まえた課題の抽出や提案、折衝などを行っており、自身の提案が結果に繋がった時に「栗原さんだから契約できた」と言ってもらえることにやりがいを感じていました。

 

転職を考えるきっかけとなったのは、保険業界にとってITがいかに必要不可欠であるかを感じはじめたことです。例えば、顧客管理にもITが欠かせません。お客様との商談内容を履歴に残すことはもちろん、保有する保険数や属性などをAIで分析して適切な保険を提案するといったIT活用も行われています。またお客様にとっても、スピーディーな給付金の支払いや、保険サービスをシームレス・ワンストップにお届けするためにITは大きな役割を果たします。保険ビジネスにおける「攻め」と「守り」の両輪を担うITシステムは、保険に関わるステークホルダーそれぞれにとっていかに重要であるかを前職の業務のなかで感じていました。

 

しかし、現場で働いているとシステムが使いにくく不便に感じていたこともあり、保険代理店からもシステムがわかりづらいという声を聞くこともありました。「保険業界のシステムが変われば、業界全体が良くなっていくのではないか」。そう感じたことでIT業界への転職を決意しました。また、私自身の保険業界の経験とITスキルを掛け合わせることで、新しい社会のインフラをつくり、支えていきたいという想いも大きな理由でした。

 

NTTデータに入社を決めたのは、保険業界出身のバックグラウンドを活かしつつ、未経験からITスキルを身に付けられる環境があったからです。また顧客基盤が幅広く、ITや金融に関する豊富なナレッジが蓄積されていることも自身の成長に繋がると感じ、入社の後押しになりました。入社前の面談で「未経験だからこそ、開発をやることでITの基礎が理解できるよ」とアドバイスいただいたことで、エンジニアとして入社。異業種および異職種からのキャリアチェンジに挑戦することを決めました。

 

 

顧客の業務を深く理解し、その先の生活者へITで価値を届ける

入社後から担当しているのは、保険代理店向けのWebアプリケーション開発です。NTTデータの「BizWise」という企業代理店向けのアプリケーションパッケージをもとに、各顧客企業のニーズに合わせた機能をアドオン開発(※2)しています。NTTデータが担うのは上流工程が中心で、お客様に対するパッケージの説明や、お客様の業務内容やニーズと仕様とのギャップの振り分け、画面の仕様やプログラミングをどう動かすかの詳細を設計するといった業務を主に行っています。

 

前職で培った保険業界の業務知識は、お客様と話す上で非常に役立っています。各保険代理店固有の業務も多く存在するため、実際の業務内容を理解しながらシステムの機能要件に合わせて仕様検討を行う必要がありますが、私自身に保険業界での業務経験があるためお客様の要望を理解しやすく、あるべき姿をイメージしやすいです。

 

また、保険を実際にご利用になる生活者の方々のことまで想像できることも強みだと思っています。前職で保険契約のアポイントに立ち会い、保険を利用する方々と直に接した経験をもとに、最終的にどういう方々にどんな価値が届いているのかを想像しながらシステムを形にしていくことができます。システムを通じて顧客企業の先にいる生活者の安心・安全を実現できることにやりがいを感じられます。

 

IT未経験で入社しましたが、周囲のエンジニアのサポートもあり、Webアプリケーション開発やITに関する幅広い知見を広げることができました。未経験入社ながらコーディングも経験させてもらえたことが自身の成長に大きく繋がったと感じています。また社内外問わず、各ステークホルダーを巻き込み、調整する能力やプロジェクト全体の進捗管理・課題管理などのマネジメントスキルも磨かれたと思います。現在はPMO(※3)、アプリ、BIツールの3つのチームを兼務しており、BIツールチームではリーダーを任せてもらっています。チームリーダーとしては実施タスク、方針の検討、WBS(※4)スケジュールの作成、進捗管理、レビュー実施・管理、課題・要望の管理など幅広い業務の経験を積むことができています。

 

 

豊富な研修と目標となるエンジニアの存在が、大きな成長に繋がる

NTTデータに入社して成長できた大きな理由は2つあります。一つは教育体制が非常に充実していることです。eラーニングや社内研修など、スキルアップの機会が数多く提供されています。新卒/経験者関係なく若年層が受講できるテクニカル系の研修では、Liveオンライン形式でアプリケーション開発・応用、システム基盤の基礎・応用を網羅的に学ぶことができ、Webアプリケーション開発スキルの基礎をしっかりと身に付けることができました。未経験者がはじめに学ぶべき内容が体系化されていることは、とても有用だと感じます。現在は、IT未経験で入社した第二新卒者を対象に、IT基礎スキルの習得を目的とした約3週間のオフライン研修プログラムが新たに導入されているようです。

その他、非常に多くの学習プログラムがありますが、どれから受講するのが良いかを先輩社員がアドバイスしてくださり、安心して学習を進められました。また、社内・事業部内でのナレッジ共有のスピードも驚くほど早く、幅広い事業領域と顧客基盤から蓄積された知見を吸収できる環境だと感じています。

 

もう一つの理由は、社内に優秀なエンジニアが揃っており、目標になる先輩が数多くいることです。システムの知見や顧客企業の業務への深い理解など、それぞれのエンジニアが明確な強みを持っています。また、深い専門知識だけでなく、プロジェクトを広く俯瞰する視野を持った方が多いです。あるチームで課題が発生した時に、その影響がどこまで広がりそうか、そのためにどのような対応をしなければならないかを見極める力が非常に高い方が多く、所属チームを超えてプロジェクトを俯瞰できる力を私も見習っていきたいと思っています。

 

私自身の今後の目標は、お客様それぞれの業務とシステムの理解を両輪でより深め、保険業界向けのWebアプリケーション開発と開発プロジェクトのマネジメントに関する知見を高めていくことです。また、将来的にはその経験を活かして、保険業界向けWebアプリケーションパッケージのさらなる改良と拡販に貢献していきたいと考えています。お客様の要望に対して構想から関わり、自らシステムとして形にしていけるスキルを身に付け、「保険×ITで社会のインフラをつくる」という自分自身の想いに沿ったキャリアを実現していきたいと思っています。

 

※1 Business Intelligenceツールの略称。ビジネス上の意思決定やデータ分析を支援するために使用されるソフトウェア。

※2 既存のソフトウェアやアプリケーションに付加機能や拡張機能を追加するための開発作業。

※3 Project Management Officeの略称。プロジェクト管理のプロセス、方法論、ツール、テンプレートなどを統一し、プロジェクトの成功を支援する役割を果たす。

※4 Work Breakdown Structureの略称。プロジェクトの作業を階層的に分解し、管理可能なタスクや作業パッケージに細分化するためのツール。

 

※掲載記事の内容は、取材当時のものです。